2025年の冬を迎えるにあたり、灯油価格の動きが注目を集めています。全国的に例年より高めの水準でスタートしており、家計を直撃する形になりそうです。
特に年金で生活するシニア世帯では、暖房費の負担が大きく、生活費全体に影響するケースも少なくありません。さらに、ガソリン税の暫定税率廃止が議論される中で、灯油価格にも間接的な影響が及ぶ可能性が指摘されています。
今回は、灯油の現状と今後の見通し、そして暮らしを守るための工夫について詳しく見ていきましょう。
今シーズンの灯油価格は高めのスタート
2025年10月時点の全国平均は、18リットルあたり約2,100円。昨年よりやや高く、過去5年の平均を上回る価格帯となっています。寒さが厳しくなるほど需要が高まり、価格が上昇する傾向が続く見込みです。
背景には、原油価格の上昇や円安の進行があります。さらに、輸送コストの増加も影響しており、今後も高値で推移する可能性が高いでしょう。価格上昇が長引けば、冬の暖房費を見直す必要が出てくるかもしれません。
補助金の延長と今後の見通し
現在、灯油には1リットルあたり5円の国の補助金が適用されています。この支援により、急激な値上がりは抑えられている状況です。
ただし、補助はあくまで暫定措置であり、今後の継続は確定していません。補助金が縮小または終了すれば、実質的な負担は増える見通しです。
1缶あたり数十円の差でも、長期的には大きな支出につながります。今のうちに購入時期を見直したり、価格比較を行ったりすることが大切でしょう。
ガソリン税廃止の議論が灯油にも波及
一見すると関係がなさそうな「ガソリン税の暫定税率廃止」ですが、灯油価格にも波及する可能性があります。理由は、税収減少を補うためにエネルギー関連の補助金が見直される恐れがあるからです。
制度変更が進めば、灯油への支援も対象となるケースが考えられます。現時点で具体的な方針は示されていませんが、今後の政策次第で変化が起こるでしょう。
政府のエネルギー政策が変われば、暖房用燃料の価格にも影響が出る可能性があります。ガソリン税の動きと並行して、灯油関連のニュースにも注意を払うことが重要です。
シニア世代ができる3つの節約術
冬の出費を抑えるには、無理のない工夫を重ねることがポイントです。灯油価格をコントロールすることは難しくても、使い方次第で節約は可能になります。
次の3つの方法を意識してみましょう。
1. 暖房の使い方を見直す
暖房は部屋全体ではなく、居間や寝室など限られた空間に集中させると効果的です。就寝時は電気毛布や湯たんぽを使うと、灯油の使用を抑えられます。
窓の隙間をふさぐ、断熱カーテンを使うなどの工夫も有効です。厚手の衣類や靴下を活用すれば体感温度が上がり、設定温度を下げても快適に過ごせます。
冷気の侵入を防ぐだけで、灯油の消費量を1〜2割減らすことも可能です。省エネを意識した暮らしが、家計の安定につながります。
2. 灯油の購入時期と価格を工夫する
灯油価格は冬の需要期に上がる傾向があります。そのため、11月中の早い時期に購入しておくとコストを抑えやすいでしょう。
地域によっては、ホームセンターやガソリンスタンドで値段が異なる場合もあります。価格比較サイトやスマホアプリを活用すれば、最安値の販売所を見つけやすくなります。
また、配達業者の定期購入割引を利用するのも一つの方法です。小さな工夫を積み重ねることで、冬の出費を確実に減らせます。
3. 自治体の補助制度をチェックする
多くの自治体では、高齢者世帯や低所得世帯を対象に暖房費助成を行っています。「灯油購入補助」や「冬季生活支援金」といった制度が代表的です。
支給条件や申請時期は自治体ごとに異なるため、早めの確認が欠かせません。役所や地域包括支援センターで相談すると、申請方法を丁寧に教えてもらえます。
制度を知らずに利用しないのは、もったいないことです。活用できる支援は積極的に取り入れていきましょう。
まとめ：情報と工夫で“暖かい冬”を守る
灯油価格は2025年冬も高水準で推移しており、補助金の行方次第ではさらなる負担増も予想されます。ガソリン税廃止の議論をきっかけに、エネルギー全体の制度が見直される可能性も否定できません。
そのため、ニュースを定期的にチェックし、早めの対策を取ることが大切です。暖房の使い方を工夫し、購入タイミングを意識するだけでも節約効果は生まれます。
「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、少し先を見越した準備が冬の安心につながるでしょう。無理のない工夫で、快適で温かい季節を過ごしてください。
