オカリナを趣味にするメリット

この章では、シニア世代がオカリナを趣味にすることで得られる様々なメリットについて紹介します。 オカリナが健康的な趣味として注目される理由には主に以下の内容があります。
- 認知機能の維持・向上につながる脳の活性化効果
- 呼吸法の改善による心身の健康促進
- 音楽を通じた社会参加と人間関係の構築
- 演奏技術の上達による自己効力感の向上
- 日常生活の質を高める精神的な豊かさ
脳の活性化で認知症を予防
オカリナの演奏は、シニア世代の脳を様々な側面から刺激する優れた活動です。楽譜を読み(視覚)、どの指でどの穴を押さえるか判断し(認知処理)、実際に指を動かし(運動機能)、音を耳で聴いて確認する(聴覚)という一連の動作が、脳の広範囲を同時に活性化させます。
東北大学加齢医学研究所の研究によると、楽器演奏は脳の灰白質を増加させるという結果も出ており、オカリナのように両手の指を使う演奏は、左右の脳をバランスよく刺激することが認知機能の維持に効果的です。
実際にオカリナサークルに参加しているシニアの方々からは、「曲を覚えるために楽譜を読む習慣がついた」「指先が器用になった」「物忘れが減った気がする」といった声が聞かれています。
脳の活性化効果を高めるには、単に演奏するだけでなく、新しい曲に挑戦したり、アンサンブルで他の楽器とのハーモニーを意識したりするなど、常に適度な「脳への挑戦」を取り入れることが効果的です。
また、練習の際には時には暗譜で演奏してみる、リズムを変えてみるなどバリエーションをつけると、より多様な脳への刺激になります。週に2〜3回、1回30分程度の練習を継続すれば、楽しみながら認知機能の維持に役立てることができるでしょう。
腹式呼吸で健康な体づくり
オカリナを演奏する際には、安定した美しい音を出すために自然と腹式呼吸を行うようになります。
この腹式呼吸は、肺の換気効率を高め、酸素摂取量を増やすとともに、リラックスしているときに働く副交感神経を刺激する効果があります。
特にシニア世代が趣味としてオカリナを続けることで、緊張を和らげ、精神の安定や心身の休息と回復を促す効果が期待できるのです。
オカリナの演奏はスポーツ吹き矢に似た呼吸機能へのアプローチがあり、呼吸のコントロールが上達するにつれて日常生活での呼吸も自然と深くなる傾向があります。
実際にオカリナを始めたシニアの方からは「以前より階段を上っても息切れしなくなった」「夜の睡眠の質が良くなった」「ストレスが溜まりにくくなった」などの声が寄せられています。
練習の前には、ウォーミングアップとして腹式呼吸を意識的に数分間行うと効果的です。
鼻から4秒かけて息を吸い、8秒かけて口からゆっくり吐く呼吸を5回程度繰り返すと、リラックス効果が高まります。
オカリナの練習は、高齢になるにつれて低下しがちな肺活量の維持にも役立つため、シニア世代の健康寿命を延ばす効果も期待できる理想的な趣味と言えるでしょう。
音楽仲間との出会いと交流
オカリナを趣味にすることの大きな魅力の一つは、音楽を通じた新しい人間関係の構築です。
定年退職後や子育て後のシニア世代は、外出機会や人との交流が減ることが少なくありません。
オカリナという共通の趣味を持つことで、カルチャーセンターの教室やサークル活動、発表会などに参加する機会が生まれ、自然と社会とのつながりが広がります。
全国には約300のシニア向けオカリナサークルがあり、多くの団体が年に4回以上の合同演奏会を開催しています。
埼玉県在住の70歳男性Kさんは、未経験から始めて1年後には地域の敬老会でソロ演奏を披露し、「毎週の練習が楽しみで、サークルの仲間とお茶会も始めました」と語っています。
群馬県館林市のシニアオカリナサークルでは「楽器チェックの日」といった交流イベントも定期的に開催され、音楽以外の話題でも親睦を深めています。
オカリナを通じて人との交流を広げるには、地域の公民館や市報、文化センターなどでサークルや教室を探してみるとよいでしょう。
同世代が多く、年間イベント数が豊富なサークルを選ぶと、より充実した交流が期待できるでしょう。

演奏達成感が自信につながる
シニア世代になると、仕事や子育てなどの社会的役割の変化に伴い、「自分はできる」という自己効力感が低下することがあります。
オカリナという新しい楽器の演奏技術を一から身につけ、少しずつ上達していく過程は、「学ぶ力」「成長する力」が年齢に関わらず自分にもあることを実感できる貴重な体験です。
特にオカリナは比較的短期間で基本的な演奏ができるようになるため、早い段階で成功体験を得られるのが魅力です。
あるコンクールでシニアの部3位に入賞した飯田哲太郎さんは、「中学以来、音楽と無縁だった私が高齢域の趣味で始めたオカリナ」と語り、基本から学び数千回の反復練習で演奏を磨き上げました。
また、蓮田東オカリナ教室に通う77歳のKさんは、タンギングの音が強いという悩みを乗り越え、スラーやテヌートを吹きこなせるようになりました。演奏の達成感を高めるには、まず自分のレベルに合った目標設定が大切です。
「ふるさと」や「夕焼け小焼け」など馴染みのある短い曲から始め、少しずつレパートリーを増やしていくとよいでしょう。
定期的に自分の演奏を録音して聴き返すことで、上達の過程を確認することもできます。
発表会やサークルの演奏会に参加することも、目標に向けて練習する動機づけになり、本番で演奏した時の達成感は格別です。

生活にハリと潤いが生まれる
定年退職後や子育て後のシニア世代は、これまでの生活リズムが大きく変わり、時間を持て余したり毎日が単調に感じられたりすることがあります。
オカリナという趣味を持つことで、毎日の練習時間や教室・サークルの活動日、演奏会などの予定が生まれ、生活に自然とリズムとメリハリが生まれます。
「今日は何曲目を練習しよう」「この曲を次の発表会で演奏しよう」といった具体的な目標ができることで、日々の生活に前向きな意欲が湧いてきます。
宗次郎氏のような有名オカリナ奏者の演奏に憧れて練習に励む方も少なくありません。
オカリナ趣味を持つシニアからは「朝起きて練習する習慣が身につき、規則正しい生活になった」「次の練習会に向けて家で練習する時間が楽しみになった」といった声が聞かれます。
ある70代女性は「子どもが独立して寂しさを感じていたが、オカリナを始めてからは毎日の練習が楽しみで、家の中が音楽で明るくなった」と語ります。
生活にハリと潤いを取り入れるには、定期的な練習時間を設定し、カレンダーにサークルの活動日や練習計画を書き込むとよいでしょう。
季節の曲や思い出の曲など、自分にとって意味のある曲を選ぶことで、日々の演奏がより心に響くものになります。
自分だけの時間を楽しむだけでなく、家族や友人に聴かせる機会を作ることで、演奏を通じたコミュニケーションも生まれるでしょう。

オカリナ趣味のデメリットと対策

この章では、オカリナを趣味として始める際に直面する可能性のある課題と、それを乗り越えるための実践的な対策について紹介します。
オカリナを楽しく長続きさせるために知っておきたい情報には主に以下の内容があります。
- 初心者が直面する音出しの難しさとその克服法
- 日常生活の中で継続的な練習時間を確保するコツ
- 住宅環境での音の問題と適切な対処方法
- シニア世代特有の身体的な負担への配慮と予防策
- 長期的に楽しみ続けるための心理的アプローチ
最初は綺麗な音が出にくい?
オカリナを始めたばかりの頃は、誰でも綺麗な音を出すのに苦労するものです。
特に息の強さや角度、口の形などが安定しないため、音程が不安定になったり、かすれた音になったりしがちです。
初心者がつまずきやすいのは「息の強さの調整」と「指穴の押さえ方」です。息が強すぎると音程が上がり、弱すぎると音が出なかったり不安定になったりします。
また、指穴をしっかり押さえられていないと、空気が漏れて音が濁ってしまいます。
しかし、オカリナは他の楽器に比べて音が出しやすく、正しい基本姿勢と息の吹き込み方を身につければ、比較的短期間で安定した音色を奏でられるようになります。
蓮田東オカリナ教室に通う77歳のKさんも、最初は「タンギングの音が強い」という悩みがありましたが、講師の指導を受けながら練習を重ね、最終的にはスラーやテヌートも吹きこなせるようになりました。
最初は「綺麗な音を出そう」と力まず、リラックスした状態で「トゥー」と軽く息を吹き込む練習から始めましょう。
椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばし、肩の力を抜くことが大切です。
初心者にも吹きやすいPOPOLOのスタンダードモデルやTi Amoのニュースタンダードなどを選ぶのもコツです。

毎日の練習時間を作るには?
シニア世代は、一見時間に余裕があるように思えますが、実際には地域活動やボランティア、家族との時間など様々な活動で忙しいことも少なくありません。
オカリナを上達させるには定期的な練習が欠かせませんが、どうすれば毎日の練習時間を確保できるでしょうか。
成功している多くのシニアオカリナ愛好家は、既存の生活リズムに練習時間を組み込む方法を取り入れています。
例えば「朝食後のコーヒータイムに15分」「昼のニュースを見た後の30分」など、すでに定着している日課と結びつけると習慣になりやすいでしょう。
群馬県館林市のオカリナサークルでは、1日15分×週3回という練習リズムを推奨しており、継続できた会員からは「無理なく続けられる量だった」との声が多く聞かれます。
筋肉の記憶や指の動きを定着させるには、長時間まとめて練習するよりも、短時間でも毎日続ける方が効果的です。
練習カレンダーを作って壁に貼り、毎日の練習をチェックしていく方法も効果的です。
70代の男性Kさんは「カレンダーにシールを貼っていくのが楽しみになり、続けられた」と語っています。
練習内容にメリハリをつけるのも大切です。
例えば月曜は基本練習、火曜は新曲、水曜は復習といった具合に計画すると飽きずに続けられます。
もし教室やレッスンに通っているなら、次回の課題曲を明確にしておくことで、練習への意欲も高まるでしょう。

家での練習 音漏れは大丈夫?
オカリナは他の管楽器と比べると音量が控えめですが、アパートやマンションなどでは音漏れを心配される方も多いでしょう。
特にシニア世代は「ご近所迷惑」を気にする傾向があり、この不安が練習の妨げになることもあります。
しかし、適切な対策を講じれば、自宅でも気兼ねなく練習を続けることができます。
市販の防音カバー(3,000円程度)を使えば、音量を通常会話レベルまで抑えることが可能です。
また練習場所も工夫し、クローゼットや押入れなど自宅の中でも比較的音が漏れにくい場所を選ぶのも一つの方法です。
時間帯の配慮も重要で、多くのシニアオカリナ愛好家は、近隣の方が出かけていることが多い平日の日中(10時~16時頃)を練習時間に選んでいます。
ある70代の女性は「最初は音を出すのが申し訳なくて小さな音で練習していたが、隣人に趣味を話したところ『全然聞こえないから気にしないで』と言ってもらえて安心した」と語っています。
必要に応じて、厚手のカーテンや毛布を窓に掛けたり、部屋の角に向かって演奏したりすることで、音の拡散を防ぐこともできます。
まずは家族や信頼できる隣人に協力してもらい、実際にどれくらい音が漏れるか確認してみるのも良いでしょう。
日頃からご近所付き合いを大切にし、オカリナを趣味にしていることを伝えておくと、理解を得やすくなります。

指の痛みを感じたらどうする?
オカリナは比較的指への負担が少ない楽器ですが、特に初心者は指穴をしっかり塞ごうとして必要以上に力を入れてしまい、指先に痛みを感じることがあります。
シニア世代は若い世代より手指の関節が硬くなっていることも多く、演奏時に違和感や痛みを感じやすい傾向があります。
このような症状を予防・改善するには、まず正しい持ち方と姿勢を身につけることが大切です。
オカリナを持つ手に余計な力が入らないよう、肘や肩の力を抜いてリラックスした状態で演奏しましょう。
指穴は強く押さえる必要はなく、空気が漏れない程度に軽く触れるイメージで十分です。
実際に65歳の女性は「最初の1ヶ月は指先が痛くなることがあったが、指先を押さえる力を調整することで痛みが解消した」と語っています。
練習前には必ず指のウォーミングアップを行うことも効果的です。
お湯(40℃程度)に指を3分間浸したり、指体操(1本ずつ10回曲げ伸ばし)を取り入れたりすると、指の動きがスムーズになります。
SUELABOのセラリーナEXのような1音ずつを担当して演奏するタイプの楽器や、指穴が小さめで押さえやすく設計されたTi Amoのニュースタンダードなど、シニアの手指の特性に配慮したモデルを選ぶのも一つの方法です。
何より大切なのは、痛みを我慢せず「少し休憩しよう」と自分の体調に素直に向き合う姿勢です。
無理せず自分のペースで少しずつ上達していく喜びを大切にしましょう。
飽きずに続けるモチベーション
どんな趣味でも、熱心に始めたものの次第に熱が冷め、いつしか遠ざかってしまうというパターンはよくあります。
オカリナも例外ではなく、最初の興味や上達の喜びが薄れてくると「今日は練習をサボろう」という日が増え、いつの間にか楽器に触れなくなってしまうことも。
特にシニア世代は体調の変化や他の活動との兼ね合いで、一度中断するとなかなか再開しづらいこともあります。
蓮田東オカリナ教室に通う77歳のKさんも、一時期オカリナへの熱意が冷めた時期があったそうですが、「エーデルワイスが吹きたい」「先生が演奏していた『銀河鉄道999』のような音が出したい」という具体的な目標を見つけたことで、再び情熱を取り戻しました。
長く続けるコツは、短期目標と長期目標をバランス良く設定すること。
「今週はこの曲の前半をマスターする」という短期目標と「半年後の発表会では○○を演奏する」という長期目標があれば、日々の練習に意味が生まれます。
また、サークル活動への参加も大きな励みになります。
オカリナサークルのメンバーからは「仲間と一緒に演奏するとモチベーションが上がる」「年に数回の発表会があると良い目標になる」という声が多く聞かれます。
宗次郎氏の演奏曲や季節の曲、思い出の曲など、自分にとって意味のある曲を選ぶことも練習への意欲を高めるでしょう。
一時的にやる気が下がっても自分を責めず、長い目で見てオカリナを人生の豊かな彩りとして楽しみましょう。

オカリナで吹ける人気の曲

この章では、オカリナで演奏できる様々なジャンルの人気曲について紹介します。 オカリナのレパートリーとして楽しめる音楽には主に以下の内容があります。
- 初心者でも短期間で習得できる童謡や唱歌
- 日本人の心に響く美しい抒情歌
- 誰もが知っている映画音楽や主題歌
- シニア世代の青春時代を彩った昭和歌謡
- シンプルなメロディラインを持つクラシック名曲
初心者も安心の簡単な童謡
シニア世代がオカリナを始めたばかりの頃は、シンプルなメロディと音域の狭い童謡・唱歌から挑戦するのがおすすめです。
「キラキラ星」「ちょうちょう」「ふるさと」「夕焼け小焼け」などは、基本的な指使いの練習にぴったりで、短期間で一曲完成させられます。
これらの曲は誰もが耳にしたことのあるメロディなので、正しく演奏できているかどうかの自己判断もしやすく、「自分でも演奏できた!」という達成感を早く味わえます。
カワイ音楽教室のオカリナコースでも、これらの曲が初期の練習曲として使われています。
蓮田東オカリナ教室に通う77歳のKさんも「ふるさと」から始めたそうです。
オカリナ学習の初期段階では、音の出し方や基本的な指使いを覚えることが重要ですが、童謡は曲の長さも短く、繰り返し練習しやすいのも魅力です。
「超カンタン!ドレミふりがな付き いますぐ吹ける オカリナ曲集 季節のうた」や「オトナの簡単オカリナ がんばらずに吹ける初心者の人気曲」などの教本を活用すれば、楽譜が読めなくても練習できます。
最初は単純にメロディを吹くことから始め、慣れてきたら強弱をつけるなど表現を工夫してみましょう。
簡単な曲を確実にマスターしていくことが、オカリナ上達の近道です。

心に染みる日本の抒情歌
オカリナの温かく素朴な音色は、日本の抒情歌と非常に相性が良く、シニア世代の趣味として特に人気があります。
「荒城の月」「赤とんぼ」「浜辺の歌」「花」(滝廉太郎)などは、美しい日本語の歌詞と情感豊かなメロディが特徴で、オカリナで演奏するとその素朴な音色がより曲の魅力を引き立てます。
これらの曲は、初級から中級レベルの奏者にとって適度な難易度を持ち、童謡より少し複雑な表現が求められるため、上達過程で取り組むのに最適です。
オカリナ奏者の宗次郎氏も「故郷」や「赤とんぼ」などを代表的なレパートリーとしています。
群馬県館林市のオカリナサークルでは、「四季の歌」を季節に合わせて練習するなど工夫しているそうです。
ある70代の女性は、「小さい頃に学校で習った『故郷』を自分で演奏できるようになったときは、とても感動した」と語っています。
これらの曲を演奏する際は、単に音符を追うだけでなく、歌詞や情景を思い浮かべながら演奏すると、表現が豊かになります。
「赤とんぼ」であれば夕暮れ時の田園風景を、「荒城の月」であれば月光に照らされた城跡を想像しながら演奏してみましょう。
音と音のつながりを意識した滑らかなフレージングを心がけることで、より美しい演奏になります。
懐かしの映画音楽に挑戦
オカリナで演奏する映画音楽は、シニア世代の演奏の幅を広げる素晴らしいレパートリーとなります。
映画「となりのトトロ」の「さんぽ」や「となりのトトロ」、「もののけ姫」のテーマ曲などのジブリ作品の音楽はオカリナとの相性が良く、カワイ音楽教室のオカリナコースでも「もののけ姫」が練習曲として取り上げられています。
また、「愛と青春の旅立ち」「ムーンリバー」(映画「ティファニーで朝食を」)、「ゴッドファーザー愛のテーマ」なども人気があります。
蓮田東オカリナ教室に通う77歳のKさんは、講師が演奏していた「銀河鉄道999」(アニメ映画のテーマ曲)のような音を出せるようになりたいと熱望していたそうです。
映画音楽は、印象的なメロディと豊かな感情表現が特徴で、観客にも馴染みがあるため、演奏会やサークル活動での発表に最適です。
映画音楽に挑戦する際は、まずその映画のワンシーンや全体的な雰囲気を思い浮かべながら演奏するとよいでしょう。
オリジナル演奏を聴いてテンポ感や表現のニュアンスをつかむことも大切です。
オカリナサークルの仲間と協力して、映画音楽のアンサンブルに挑戦するのも楽しいものです。
「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」のテーマ曲を異なる調のオカリナで分担して演奏すれば、より豊かなハーモニーが生まれます。
時代を超えて愛される映画音楽をオカリナで奏でる喜びをぜひ体験してください。
昭和歌謡で青春をもう一度
シニア世代にとって、昭和歌謡は青春時代の思い出がつまった特別な音楽です。
「上を向いて歩こう」「小さな日記」「君といつまでも」「また逢う日まで」「いい日旅立ち」といった名曲をオカリナで奏でると、若かりし頃の記憶がよみがえり、演奏がより感情豊かなものになります。ある70代の男性は「若い頃によく聴いていた『帰らざる日々』をオカリナで演奏できるようになり、当時の思い出がよみがえって感慨深かった」と語っています。
群馬県館林市のシニアオカリナサークルでは「昭和の名曲メドレー」を作り、地域の敬老会で演奏して同世代の観客から大きな拍手を受けたそうです。
昭和歌謡はオカリナの素朴な音色と相性が良く、美しいメロディラインと情感豊かな表現が特徴です。
演奏難易度も中級レベルのものが多く、ある程度オカリナに慣れてきた方にとって、ちょうど良い挑戦となります。
昭和歌謡を演奏する際は、歌詞を心の中で歌いながら演奏すると、より表情豊かになります。
技術的には、ビブラートや装飾音などの表現技法を少しずつ取り入れて、曲の雰囲気を出す工夫も効果的です。同世代との共感を得やすいジャンルなので、サークル活動や友人との音楽の集いで披露すれば、「懐かしい!」「あの頃を思い出すわ」という反応が返ってきて、演奏の喜びもひとしおです。
青春時代の思い出の曲をオカリナで蘇らせる体験は、演奏技術の向上だけでなく、心の豊かさも育みます。
有名なクラシック曲も吹ける
クラシック音楽の中には、オカリナで演奏できる美しいメロディを持つ名曲が数多くあります。
ドボルザークの「家路」(交響曲第9番「新世界より」第2楽章のテーマ)、バッハの「G線上のアリア」、パッヘルベルの「カノン」、エルガーの「愛の挨拶」、ショパンの「別れの曲」などは、オカリナの音域に合わせて編曲されたバージョンの楽譜が出版されており、シニア世代の演奏家にも人気です。ある65歳の男性は「退職後にオカリナを始め、1年半かけて『カノン』が演奏できるようになった時の感動は忘れられない」と語っています。
コンクールでシニアの部2位を受賞した永田紀恵子さんも、クラシック曲の練習を通じて音楽表現の幅を広げていったそうです。
オカリナサークルでも発表会の締めくくりにクラシックの名曲を全員で演奏するなど、特別な曲として扱われることが多いようです。
クラシック曲に挑戦する際は、まず原曲を何度も聴いてメロディーのイメージをしっかり掴むことから始めましょう。
技術的には、音と音のつながり(レガート奏法)や、強弱の変化、テンポのゆらぎなど、曲の表情を豊かにする要素に特に注意を払うことが大切です。
難しいフレーズはゆっくりとしたテンポで部分練習を繰り返し、少しずつ速度を上げていくと着実に上達します。
クラシック曲は理解と演奏技術が深まるにつれて魅力も増すジャンルなので、焦らず少しずつ探求していく姿勢が大切です。
まとめ
オカリナは、シニア世代の方にとって理想的な趣味楽器です。
指の運動や腹式呼吸による健康効果に加え、手軽に始められる低コストな点も魅力。初心者でも美しい音色を奏でやすく、自分のペースで楽しめます。
教室やオンラインレッスン、独学など学び方も多様で、同世代との交流機会も広がります。
持ち運びやすさや場所を選ばない手軽さもポイントです。
音楽経験がなくても70代から始める方も多く、新たな人生の楽しみとして、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。
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