60〜70代のシニア世代から、今ラジコンが注目されています!
なぜ今、ラジコンという趣味に注目しているの?
この章では、なぜラジコンがシニア世代の新たな趣味として魅力的なのか、その理由を具体的にご紹介します。
懐かしさだけでなく、健康維持や仲間づくりといった、人生を豊かにするヒントがここにあります。
- 昔のミニ四駆やプラモデルの思い出を、最新技術で再び味わえる懐かしさと新鮮さの両立
- 手先と頭を使うことで脳が活性化し、認知機能の維持や健康寿命の延伸につながる効果
- 激しい運動は不要で、自分のペースで無理なく続けられる適度な趣味性
- 同じ趣味を持つ仲間との出会いや、オンライン・オフラインでの交流機会
理由(1)懐かしさと最新技術の融合で再びワクワクできる
現代のラジコンは、シニア世代が子どもの頃に夢中になったミニ四駆やプラモデルの、あのワクワク感を追体験できる趣味です。
しかも、最新の電子技術のおかげで、当時とは比べ物にならないほど手軽に楽しめます。
例えば、初心者向けの完成品モデル(RTR:Ready To Run)なら、箱から出してすぐに走らせることが可能です。
タミヤや京商といった信頼の置けるメーカーから、バッテリーと充電器がセットになったモデルが2〜3万円台で購入できます。
1980年代のラジコンブームを経験した60〜70代にとって、当時は高価で手が届かなかった本格的なスケールモデルが、今では手頃な価格で入手できます。
往年の名車やクラシックカーを忠実に再現した実車さながらの精密なデザインは、大人が持っても恥ずかしくない本格的な趣味として成立します。
さらに、昔は複雑だった操作も、ジャイロ機能やデュアルレート(速度調整)などの電子制御により、初心者でも扱いやすくなっています。
タイヤ交換、ボディ塗装、LEDライト追加など、カスタマイズの自由度も高く、元エンジニアや職人タイプの方の技術欲求も満たせます。
理由(2)手先と頭を使うことで健康維持・認知症予防になる
ラジコンは、ただの遊びではありません。操縦やメンテナンスを通じて手と頭を同時に使うため、認知機能の維持や認知症予防への良い効果が期待されています。
指先は「第二の脳」とも呼ばれるほど神経が集中しており、細かく動かすことで脳へダイレクトに刺激が伝わるのです。
特に複雑な指の動きは脳の前頭葉を活性化させ、思考や記憶、判断力に関与する部分を活発にします。
ラジコンの操縦では、プロポ(送信機)を握り、微妙なスロットル調整とステアリング操作を同時に行う必要があり、これらの動作が自然と脳トレになります。
前方の障害物を認識し、回避ルートを判断し、手指でプロポを操作する一連の流れは、視覚・判断力・運動機能を総合的に使う活動です。
さらに、走行後の清掃、ネジの締め直し、消耗パーツの交換など、細かな手作業は指先の器用さを維持し、手順を考えながら作業することで論理的思考も鍛えられます。
週に1〜2回、近所の公園で30分程度走らせるだけでも、継続することで認知機能の維持に役立ちます。
理由(3)自分のペースで楽しめるから無理なく続けられる
ラジコンは、レースに出て腕を競うことも、公園でのんびり走らせることもできる、非常に懐の深い趣味です。
その日の体力や気分に合わせて自分のペースで楽しめるため、無理なく長く付き合っていけます。これこそ、定年後の趣味に最も大切な要素ではないでしょうか。
ラジコンは天候や体調に合わせて、屋内での整備、近所での軽い走行、仲間とのサーキット走行など、活動レベルを自由に調整できます。
雨の日は屋内でメンテナンスやカスタマイズ、晴れた日は公園で走行と、天気に合わせた楽しみ方が可能です。
特にクローラータイプ(岩場を登るラジコン)は、ゆっくりとした動きで地形攻略を楽しむため、激しい動きや反射神経を必要とせず、シニア世代に最も適したジャンルとされています。
電動式は電池や専用のバッテリーでモーターを動かすモデルで、基本操作やメンテナンスの専門知識がなくても簡単に楽しめます。
最高速度を制限するデュアルレート機能により、初心者でも安全に練習できるのも魅力です。
早朝の人が少ない時間帯に30分だけ走らせる、週末に仲間と半日楽しむなど、ライフスタイルに合わせて調整可能です。
理由(4)仲間づくりや交流のきっかけになる
ラジコンは同じ趣味を持つ仲間と出会い、世代を超えて交流できるコミュニティが豊富にあり、孤独感の解消や社会参加のきっかけとなります。
シニア世代のSNS利用率は60代が最も高く、70〜80代でも5割以上の人が利用しており、趣味人倶楽部などの50代以上向けSNSでは、日記やフォト、趣味のコミュニティを通して新しい仲間と出会い、交流することができます。
約3.5万件のコミュニティがあり、ラジコン好きのグループでは、機種選びの相談や走行動画の共有が活発に行われています。
ジモティーなどの地域掲示板では「ラジコン仲間募集」の投稿が多数あり、近隣でラジコンを楽しむ仲間を見つけやすい環境が整っています。
また、孫と一緒にラジコンを楽しむことで、共通の話題が生まれ、家族との絆も深まります。
低速モード設定により、小さな子どもでも安全に操縦可能です。
模型店やサーキットで開催される初心者向け体験会や走行会は、気軽に参加できる交流の場として人気があり、同世代の仲間との交流は、認知症予防や生活の質向上にもつながります。
シニアがラジコンを趣味にするメリット
ラジコンを始めると、日々の暮らしにどのような良い変化が生まれるのでしょうか?
この章では、趣味として楽しむだけでなく、健康維持や家族とのコミュニケーション、知的好奇心の充足といった、実生活にも役立つ具体的なメリットをご紹介します。
ラジコンには以下のような実生活に役立つメリットがあります。
- 公園や河川敷での走行を通じて、自然な形で屋外運動の習慣がつき、運動不足を解消できる
- 孫や家族と共通の話題ができ、世代を超えたコミュニケーションのきっかけになる
- 最新のバッテリー技術や電子制御を学ぶことで、知的好奇心が刺激され脳の活性化につながる
メリット(1)屋外で気軽に運動できる
ラジコンを趣味にすると、愛車を走らせるために公園や河川敷へ出かけるのが楽しみになります。その結果、自然と屋外で活動する習慣がつき、シニア世代にとって理想的な運動の機会が生まれるのです。
定年後は外出の機会が減りがちですが、ラジコンという目的があることで、週に1〜2回は外に出る習慣が自然と身につきます。
RCカーの走行自体は激しい運動ではありませんが、マシンを追いかけて歩く、しゃがんで車体を確認する、場所を移動するなど、適度な全身運動になります。
公園でラジコンを走らせながら追いかけると、30分で約2,000〜3,000歩のウォーキングになり、無理なく運動目標を達成できます。
動くラジコンを目で追うことで、眼球運動も活発になります。
運動しなきゃというプレッシャーを感じている方こそ、趣味を楽しむついでに自然と体を動かせるラジコンを検討してみてはいかがでしょうか。
メリット(2)孫や家族と一緒に楽しめる
ラジコンは、世代の壁を軽々と越えて楽しめる最高のコミュニケーションツールです。
お孫さんやご家族との間に共通の話題が生まれ、一緒に遊ぶ時間を通じて、自然と絆が深まっていくでしょう。
シニア世代にとって、孫や家族との関係性を維持することは重要な関心事ですが、世代が違うと共通の話題が少なく悩む方も多いのが現実です。
2025年のラジコンにはデュアルレートという機能があり、最高速度を通常の30〜50%に制限できるため、5歳程度の子どもでも安全に操縦体験ができます。
祖父が操縦し、孫がコース設定や撮影係など、それぞれの役割を持って協力することで一緒に楽しめます。
走行動画や写真をスマホで撮影し、家族LINEで共有することで、離れて暮らす家族ともつながれます。
孫とどう遊んだらいいかわからないという方は、まず自分用に1台購入し、孫が来たときに一緒に遊べるよう、予備のバッテリーを用意しておくと良いでしょう。
メリット(3)新しい知識を学ぶ刺激になる
ラジコンは、まさに「走る科学」です。
最新のバッテリー技術や電子制御、マシンの構造など、知れば知るほど奥深い世界が広がっています。
この新しい知識を探求する過程が、知的好奇心を刺激し、生涯学習として脳の活性化にもつながるのです。
2025年現在のRCモデルは、昭和のラジコンとは比較にならないほど技術的に進化しています。LiPo(リチウムポリマー)バッテリーの充電管理、ESC(電子スピードコントローラー)の設定、ジャイロによる姿勢制御など、学ぶべき新しい知識が豊富にあります。
元エンジニアや職人タイプの方にとって、これらの技術を理解し、使いこなしていく過程は知的好奇心を大いに刺激します。
ギヤ比、駆動方式(2WD/4WD)、サスペンション構造など、機械工学の基礎を実践的に学べるのも魅力です。
YouTubeでのチュートリアル動画視聴やオンラインショップでのパーツ比較など、デジタルスキルも自然と向上します。
新しいことを学ぶのが好きという方には、ラジコンは生涯学習の教材として最適です。
シニアがラジコンを始めるデメリット
どんな趣味にも、始める前に知っておきたい注意点があります。
この章では、ラジコンを始める際に考えられるデメリットを正直にお伝えし、それぞれにどう対処すればよいのか、具体的な対策も合わせてご紹介します。
あらかじめ課題を知っておくことで、安心して趣味をスタートできます。
ラジコンを始める前に考慮すべき点は以下の通りです。
- 本体価格に加えて、バッテリーや充電器、工具などの初期費用と、消耗品の維持費がかかる
- 住宅地では騒音や安全面に配慮が必要で、適切な走行場所と保管スペースの確保が求められる
- バッテリーの安全管理や操作技術の習得に、ある程度の学習時間と慣れが必要になる
デメリット(1)初期費用や維持費がかかる
ラジコンは、本体価格だけでなく、バッテリーや充電器、工具などの周辺機器の購入が必要です。2025年現在、シニアにおすすめのRTR完成品モデルは2〜3万円台が相場ですが、実際に走行を始めるには予備バッテリーを2〜3本、専用充電器、基本工具セット、耐火ポーチなどが別途必要になり、初期総額は4〜5万円程度を見込む必要があります。
さらに走行を重ねると、タイヤやバッテリーといった消耗品の交換が必要になり、維持費として年間で約13,000円(月あたり約1,100円)ほどかかります。
ただし、ゴルフや釣りなどの趣味と比較すれば、月あたりの費用は比較的抑えられる範囲です。
初期費用が気になる方は、必要なものが全て揃ったスターターセットを選ぶと安心です。
また、タミヤや京商など信頼できるメーカーの入門モデルを選ぶことで、長期的にはコストを抑えられます。
デメリット(2)遊ぶ場所や保管スペースの確保が必要
ラジコンは、住宅地での騒音や安全面への配慮が必要で、適切な走行場所を探す手間がかかります。
静かな電動RCカーといえども、高速で走らせればある程度のモーター音はします。
そのため、人が多い時間帯や場所では、安全のためにも走行を控えるのが大切なマナーです。
適切な場所としては、早朝の公園の舗装路端、人気の少ない河川敷、許可を得た駐車場、専用サーキットなどが挙げられます。
また、自宅での保管についても、1/10スケールのモデルで靴箱1段分程度のスペースが必要で、バッテリーは耐火ポーチに入れて安全な場所に保管する必要があります。
走行場所に不安がある方は、まず自宅周辺の公園や河川敷を早朝に下見してみることをおすすめします。
地域のラジコンサークルに参加すれば、先輩たちが実際に使っている場所を教えてもらえます。
保管スペースについては一般的な収納棚で十分対応できますので、大きな心配は不要です。
デメリット(3)バッテリーや操作などに慣れるまで時間がかかる
ラジコンは、LiPoバッテリーの安全な取り扱い方法や、プロポ操作の習得に一定の学習時間が必要です。
特に「LiPo(リポ)」と呼ばれる高性能バッテリーは、扱い方を間違えると発火する危険性もゼロではありません。
そのため、正しい充電方法や保管時の電圧管理など、安全に関する知識を身につけることが不可欠です。
また、プロポ(送信機)の操作も、ステアリングとスロットルを同時に微調整する必要があり、慣れるまでは思い通りに動かせないことがあります。
ただし、現代のラジコンには初心者サポート機能が充実しており、ジャイロによる姿勢制御やデュアルレートによる速度制限機能があるため、RTR完成品を選べば組み立ての手間もありません。
基本操作は1ヶ月程度で習得可能で、YouTubeでのチュートリアル動画やオンラインコミュニティでの質問など、学習をサポートする環境も整っています。
元エンジニアや職人タイプの方なら、むしろ学ぶ過程を楽しめるはずです。
失敗しないラジコンの選び方
いよいよ、最初の愛車選びです。数あるラジコンの中から「これだ!」と思える一台に出会うために、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
この章では、シニア世代の方が後悔しないための、具体的なラジコンの選び方をご案内します。
ラジコン選びで重要なポイントは以下の通りです。
- 完成品(RTR)と組み立て品(キット)の違いを理解し、自分のスキルと目的に合わせて選ぶ
- 電動式とエンジン式の特性を比較し、初心者には扱いやすい電動式を検討する
- ジャイロやデュアルレートなど、操作をサポートする機能が搭載されているかを確認する
- 初期費用だけでなく、バッテリーやパーツなど維持費を含めた総合的なコストで判断する
選び方(1)完成品(RTR)か組み立て品(キット)かを決める
シニア初心者には、届いてすぐに走らせられるRTR(Ready To Run)完成品がおすすめです。
バッテリーを充電すれば30分から1時間で走行を楽しめ、メーカーが調整済みなので安定した走りを体験できます。
タミヤXBシリーズや京商ミニッツRTRシリーズなど、高品質な完成品が2025年現在では充実しています。
一方、若い頃プラモデルやミニ四駆の組み立てが好きだった方には、キットも魅力的な選択肢です。
構造を完全に理解できるため、メンテナンスやカスタマイズが容易になり、完成時の達成感も格別です。
ただしキットの場合は、送信機やバッテリーを別途購入する必要があり、総額で2〜3万円の追加費用が発生します。
もし迷われるなら、まずは完成品(RTR)でラジコンの面白さを存分に味わい、2台目として組み立てキットに挑戦する、というステップアップがおすすめです。
選び方(2)電動式かエンジン式かを比較する
シニア初心者には、メンテナンスが簡単で静かな電動式を強くおすすめします。
電動RCカーは、バッテリーをモーターで動かすシンプルな構造で、スイッチを入れるだけで走行でき、走行後の清掃と充電が中心のメンテナンスで済みます。
住宅地の公園でも早朝や夕方なら周囲への配慮をしながら走行可能で、臭いや排気ガスもありません。
2025年現在、電動式の性能は飛躍的に向上しており、ブラシレスモーターとLiPoバッテリーの組み合わせにより、最高速度も時速40〜60km/hに達するモデルもあります。
一方、エンジン式は本物の車のようなエンジン音や排気ガスが迫力満点ですが、始動には専門的な知識が求められます。
また、その大きな音から、走らせる場所は専用サーキットなどに限られてしまうのが現状です。
電動式で基本操作を習得してから、興味が湧いたらエンジン式に挑戦するという順序が理想的です。
選び方(3)操作のしやすさを重視する
シニア初心者は、ジャイロ機能やデュアルレート(速度調整)など、操作をサポートする機能が搭載されたモデルを選ぶことで安心して練習できます。
ジャイロ機能は車体の姿勢を自動で安定させ、スピン(回転)を防いでくれるため、初心者の操縦ミスをカバーしてくれます。
デュアルレート機能は、プロポのスイッチで最高速度を30〜100%の範囲で調整可能で、初心者は50%で練習し、慣れたら徐々に解放していくことができます。
孫と遊ぶときも子ども用に30%設定で安全に楽しめます。
また、プロポ(送信機)は握りやすいホイールトリガータイプが主流で、手の大きさや握力に合わせて選ぶことで長時間の操作でも疲れにくくなります。
購入前に模型店で実際にプロポを握ってみて持ちやすさを確認するのも良いでしょう。
オンラインショップのレビューで「初心者でも操作しやすい」というコメントがあるモデルは、安心して選べる指標になります。
選び方(4)予算と維持費のバランスを考える
初期費用だけでなく、バッテリーやパーツの維持費、入手性を含めた総合的なコストバランスで判断することが重要です。
1万円台の格安モデルは魅力的に見えますが、消耗品の入手が難しかったり故障しやすかったりして、結果的に高くつく場合があります。
結論から言うと、シニアの皆さんが最初に選ぶなら、3〜4万円台のモデルが最もコストパフォーマンスに優れており、満足度も高いでしょう。
タミヤや京商など信頼できるメーカーのRTR完成品なら、パーツサポートも長期間保証されており、消耗品が全国の模型店や楽天、Amazonなどのオンラインショップで容易に入手できます。
年間維持費は約12,000〜22,000円(月あたり1,000〜1,800円)が目安で、ゴルフや釣りなどの趣味と比較すれば費用は抑えられる範囲です。
購入時は本体だけでなく、予備バッテリー2本と充電器を含めたスターターセットを選ぶと、後から買い足す手間とコストを節約できます。
レビュー評価が4.0以上のものを目安にすると安心です。
初心者シニアにおすすめのラジコンタイプ
「選び方のポイントは分かったけれど、具体的にはどんなものが良いの?」という声にお応えして、この章ではシニア世代の皆さんに特におすすめしたいラジコンのタイプを3つ、厳選してご紹介します。
これらを参考にすれば、理想の一台がきっと見つかります。
- タミヤや京商など老舗メーカーのモデルは、サポート体制が充実しており安心して長く使える
- 舗装路で走らせるオンロードカーは、公園で手軽に楽しめ操作も直感的で初心者向き
- 実車を忠実に再現したスケールモデルは、大人の趣味として満足度が高く飾っても楽しめる
タイプ(1)扱いやすい老舗メーカー(タミヤなど)のモデル
シニア初心者には、タミヤや京商などの老舗メーカーのモデルを強くおすすめします。
タミヤは1946年創業、京商は1963年創業の日本を代表するRCモデルメーカーで、70年以上の実績があります。
これらのメーカーが提供するXBシリーズやミニッツシリーズなどの完成品は、開封後すぐに走行を楽しめる設計となっています。
最大のメリットは充実したパーツサポートです。
全国の模型店やAmazon、楽天などのオンラインショップで消耗品や交換パーツが容易に入手でき、生産終了後も長期間にわたってパーツ供給が続きます。
また日本語の詳細な取扱説明書、電話やメールでのサポート体制、YouTubeでの公式チュートリアル動画など、初心者をサポートする環境が整っています。
同じモデルを使っている仲間が多いのも心強い点です。
インターネット上のコミュニティなどで情報交換が活発なので、困ったときにも解決策を見つけやすいでしょう。
タイプ(2)舗装路で走りやすいオンロードカー
公園の舗装路や駐車場で手軽に走らせられるオンロードカーは、シニア初心者に最適な選択肢です。
オンロードカーは、舗装された平らな道を走るために設計されており、車高が低く安定性が高いため、操作が非常に直感的です。
タイヤは溝の少ないスリックタイプが多く、舗装路でのグリップ力に優れスムーズな走行が可能となっています。
最大のメリットは走らせる場所を見つけやすいことです。
自宅周辺の公園の舗装路、駐車場、河川敷のサイクリングロードなど、身近な場所で楽しめます。特別な不整地を探す必要がなく、早朝の公園であれば人も少なく気兼ねなく走行できます。
車高が低く重心が安定しているため、高速走行でも転倒しにくく初心者でも安心です。
舗装路を走るため砂や泥が入りにくく、走行後の清掃やメンテナンスも簡単に済みます。
実車を忠実に再現したスケールモデルも多く、見た目の満足度も高いのが魅力です。
タイプ(3)実車を再現したスケールモデル
「大人が嗜む趣味」としての満足感を重視するなら、実車を精密に再現した「スケールモデル」がうってつけです。
若い頃に憧れた名車、あるいはかつての愛車が、細部までこだわって再現された姿は、もはや工芸品の域。
手に入れることは、あの頃の記憶を呼び覚ます、特別な体験となるでしょう。
日産のスカイラインGT-Rや往年のラリーカーなど、大人の所有欲を満たすモデルが数多くラインナップされています。
走らせていない時でも、書斎に飾れば上質なインテリアとして日々の生活を彩ってくれます。
その精巧な造形美は、ものづくりに携わってこられた方々の美的センスをきっと満足させてくれるはずです。
スケールモデルは単なる玩具ではなく、ディスプレイケースに飾ればインテリアとしても機能するため、走行しない時も鑑賞して楽しめます。
その精密なメカニズムと美しい造形は、まさに「大人のための工芸品」。ものづくりが好きだった元エンジニアや職人タイプの方なら、その知的好奇心と美的センスを同時に満たしてくれる、最高の相棒になるはずです。
価格帯別おすすめモデル
ラジコンを始めるときに悩むのが「どのモデルを選べばいいか」という点です。
ここでは具体的なモデル選びの参考として、予算別に人気の高いモデルをいくつかご紹介します。
【予算3万円台】まずは手軽に始めたい方向け
- タミヤ XB ホーネット
軽快な走りが魅力のオフロードカー。シンプルな構造で扱いやすく、ラジコンの楽しさを手軽に味わえます。 - 京商 エッグシリーズ
室内でも遊べるコンパクトさが魅力。ラジコンの世界への第一歩として最適です。
【予算5万円台】本格的な走りも楽しみたい方向け
- 京商 ミニッツ レディセット
室内で本格的なレースやドリフトが楽しめる小型モデル。天候を気にせず練習できます。 - タミヤ XBシリーズ (TT-02シャーシ)
オンロードカーの定番。豊富なパーツでカスタマイズも楽しめ、長く付き合える一台です。
【予算7万円台〜】組立やカスタムに挑戦したい方向け
- タミヤ TT-02R シャーシキット
より高性能な走りを追求できる組立キット。メカ好きの探求心を満たしてくれます。 - ヨコモ YD-2E
ドリフト走行に特化した本格モデル。操る楽しさをとことん追求したい方へ。
バッテリーと充電の基本知識
電動ラジコンの心臓部とも言えるのが「バッテリー」です。
安全に、そして長く趣味を楽しむためには、バッテリーと充電に関する正しい知識が欠かせません。
この章では、種類ごとの特徴から、事故を防ぐための安全な扱い方、走行時間の目安まで、基本を分かりやすく解説します。
- LiPoとNi-MHという2種類のバッテリーの特徴と、初心者に適した選び方
- 火災などのトラブルを防ぐための安全な充電手順と保管方法
- 実際の走行時間の目安と、快適に遊ぶために必要な予備バッテリーの本数
基礎(1)LiPoとNi-MHの違いと選び方
ラジコン用バッテリーには主にNi-MH(ニッケル水素)とLiPo(リチウムポリマー)の2種類があります。
シニア初心者にはNi-MHバッテリーから始めることを強くおすすめします。
Ni-MHは環境に優しく大容量で、初心者から中級者まで扱いやすいバッテリーです。
一般的な7.2Vタイプは6セル構成で、容量は3000から4000mAh程度が主流となっています。
価格は3000円前後と手頃で、タミヤのXBシリーズなど完成品モデルに付属することが多く、管理も比較的簡単です。
一方、LiPoは軽量で大容量、ハイパワーという魅力がありますが、充電方法を誤ると発火の危険があり、専用充電器と耐火バッグが必須となります。
まずは扱いやすいニッケル水素(Ni-MH)でラジコンに慣れ、よりパワフルな走りを求めたくなった時に、安全知識を学んだ上でリポ(LiPo)へ移行する。このステップアップが、最も安全で確実な道すじです。
基礎(2)安全な充電・保管の手順
バッテリーの安全な充電と保管は、ラジコンを楽しむ上で最も重要です。
まず基本ルールとして、専用の充電器を使用し、異なる種類のバッテリーを間違った充電器で充電しないこと、充電中は目を離さないこと、金属や可燃物の近くで充電しないことを徹底してください。
特にLiPoバッテリーを使用する場合は、耐火ポーチ(1000から2000円程度)に入れて充電することが必須となります。
充電中は過熱や異常膨張がないか定期的にチェックし、膨張や発熱などの異常が見られた場合は直ちに使用を中止してください。
Ni-MHバッテリーの場合は、使い終えてから充電することが大切です。
ラジコンのスピードが目に見えて落ちてきたら、それが走行終了の合図です。
バッテリーを休ませるため、少し時間をおいてから充電するようにしましょう。
保管時は高温多湿を避け、涼しい場所に保管します。
長期間使用しない場合は、LiPoは充電量を60から70パーセント程度に調整し、Ni-MHは使用前に再充電が必要です。
基礎(3)走行時間の目安と予備バッテリーの本数
ラジコンを快適に楽しむためには、本体付属の1本に加えて予備バッテリーを2から3本用意することを推奨します。
一般的なバッテリー1本での走行時間は、容量や走行条件にもよりますが15から20分程度が目安です。
充電には30分から1時間半程度かかるため、現地で充電しながら遊ぶのは現実的ではありません。例えば、容量3000〜4000mAhのニッケル水素バッテリーが合計3本あれば、充電済みのものを持っていくことで、1時間ほどたっぷりと走行を楽しめます。
初期投資としては、本体価格2から4万円に加えて、予備バッテリー2本で6000から8000円、充電器が3000から5000円程度となります。
例えばNASTIMAの7.2V 4000mAhバッテリーは約3000円、OPTION No.1の急速充電器は約3600円と、トータル3から5万円程度で満足度の高いラジコン生活をスタートできます。
バッテリーは3本を順番に使うローテーション使用で寿命を延ばし、使用後は1日置いてから充電する習慣をつけると長持ちします。
シニアがラジコンを長く楽しむコツ
せっかく始めた趣味ですから、一時的な楽しみで終わらせず、長く続けていきたいものですよね。
この章では、ラジコンを生涯の趣味にするための、ちょっとしたコツをご紹介します。
場所選びから仲間づくり、愛車のメンテナンスまで、長く楽しむためのヒントが満載です。
- 自宅近くで安心して走らせる場所を見つけ、マナーを守って楽しむ方法
- 地域のラジコンクラブやコミュニティに参加して仲間と交流する楽しさ
- 走行後の簡単なメンテナンスを習慣化して、愛車を長持ちさせる方法
- 安全第一で無理なく遊び、トラブルを未然に防ぐための心構え
コツ(1)自宅近くで安心して走らせる場所を探す
ラジコンを長く楽しむには、自宅近くで気兼ねなく走らせられる場所を見つけることが最も重要です。
おすすめは早朝6時から8時の公園の舗装された広場です。
人が少なく騒音も気にならない時間帯を選びましょう。
ただし公園によってはラジコンの使用が禁止されている場合もあるため、事前に管理事務所や自治体に確認することが必須です。
電動ラジコンは比較的静かですが、それでも周囲への配慮は忘れずに。
河川敷のサイクリングロードや自宅の駐車場も選択肢になります。
また茨城県五霞町のラジコンパークGokaなど無料で利用できる公営のラジコン専用施設も増えています。
自宅から車で15分以内に2から3箇所の候補地を見つけておくと、天候や混雑状況に応じて選べて便利です。
常に「歩行者優先」を心がけ、人が近づいてきたらすぐに走行を止める。
こうした周りへの配慮やマナーを守ることが、結果的に自分自身が安心して趣味を長く楽しむための秘訣です。
コツ(2)地域のクラブやコミュニティに参加する
一人で黙々と走らせるのも楽しいですが、地域のラジコンクラブやコミュニティに参加することで趣味の楽しさが何倍にも広がります。
クラブに顔を出せば、経験豊富な先輩たちが、操作のコツからメンテナンスの技術まで、きっと親切に教えてくれるはずです。
一人で試行錯誤するよりも、上達への確実な近道になります。
例えば福島県のおおとり飛行クラブは1978年結成で会員数23名、初心者向けの飛行指導も行っています。
また模型店が主催する走行会やイベントでは、入場や見学が無料の店舗も多く気軽に参加できます。
情報収集には近所の模型店で聞くのが最も確実ですが、ジモティーやFacebookで「ラジコン 地域名」と検索する方法も有効です。
週末に仲間と集まって和気あいあいとラジコンを楽しむことは、定年後の新しい人間関係を築く貴重な機会にもなります。
トラブル時に相談できる仲間ができることで、趣味が長続きしやすくなります。
コツ(3)簡単なメンテナンスを習慣化する
走行後にほんの少し手をかけてあげるだけで、愛車はいつでも快調な走りを見せてくれます。
この簡単なメンテナンスを習慣にすることが、ラジコンを長く楽しむ秘訣です。
基本は走行後10分程度の作業です。
まずボディとタイヤを中性洗剤を薄めた水で洗い、しっかり乾かしてビスが錆びないようにします。
ボディやタイヤを乾かしている間に、ブロワーやハケでシャシーの砂ホコリを落とし、タイヤの回転軸周りのゴミや糸を除去しましょう。
ゴミや糸が絡まるとタイヤの回転効率が落ちてしまいます。
さらにネジの緩みやタイヤの摩耗を目視でチェックします。
月に1回程度はベアリングの清掃と注油、ギアボックス内の砂やホコリ除去などの詳細メンテナンスを行うと良いでしょう。
タミヤのRCモデルのパーツはカスタマーサービス取次店やタミヤカスタマーサービスに直接注文できるので安心です。
コツ(4)安全第一で無理なく遊ぶ
何よりも大切なのは、安全を最優先し、ご自身のペースで無理なく楽しむことです。
ラジコンは時に高速で走るため、人にぶつかれば大きな事故につながりかねません。
周囲の安全、特に小さなお子さんやペットの動きには常に気を配りましょう。
また、ご自身の体調管理も重要です。
炎天下での無理は禁物。
折り畳み椅子を持参するなど、快適に過ごす工夫も大切です。
上手な操縦を目指すのも素晴らしいことですが、「今日も無事に楽しめた」ことが何よりの成果。
この心持ちが、この趣味を生涯にわたって楽しむための最大の秘訣です。
万が一に備え、年間数千円で加入できるラジコン保険を検討するのも、大人の嗜みとしてお勧めします。
RCK日本ラジコン電波安全協会やJMA日本模型航空連盟の保険は年間数千円程度で対人対物賠償をカバーします。
「昨日より上手く走らせる」ことよりも、「今日も楽しく走らせられた」ことを大切にしてください。
事故なく、安全に楽しめた一日こそが、最高の成功体験です。自分のペースで安全に楽しく続けることが、70代80代になっても続けられる秘訣です。
まとめ
定年後の新しい趣味として、ラジコンは「大人の冒険心」を再び満たしてくれる最高の選択肢です。
昔夢中になったワクワク感を、最新技術で手軽に、そして安全に再体験できます。
まずは専門知識が不要な「完成品(RTR)」の電動カーから始めるのが失敗しないコツ。
予算3〜5万円を目安にすれば、性能も見た目も満足できる本格的な一台が手に入ります。
基本の操作と簡単なメンテナンスを覚え、無理のないペースで楽しむことで、ラジコンは長く続けられる最高の相棒になるでしょう。